ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…しない。
びっくりはしたけど…」
浅井は少し笑って片手を見つめた。
「事故に遭ってからさ…
その瞬間の映像が頭から離れなくて…
眠れない日が続いた。
情けねぇけど恐くってさ(笑)
それに…
当時家族ともあんまりうまくいってなかったし…
家にも帰りたくなくて…
オレ、沙紀に逃げたんだよ。
結婚に逃げたのはオレなんだ…」
みのりの手を握る浅井の手に力が入る。
「だから沙紀が勝手な事ばっかしても何も言えなくて…
正直どうでもいいと思ってたし…
別に別れなくても問題なかった。
でも…」
浅井の視線が自分に向けられて
みのりが少し緊張した面持ちを見せる。
握られている手が…
みのりの緊張を余計高める。
「おまえに会って…
佐倉とちゃんと向き合いたいって思った。
…おまえがこの話聞いても
まだオレが好きだって言ってくれるなら…」
「…好き」
浅井の言葉を遮って
みのりが黙っていた口を開いた。
「好きに決まってる…」
『好き』だと言った途端、
みのりの目から涙がこぼれた。
ずっと…
ずっと思ってた言葉…
何回も心の中で繰り返した言葉。
言っちゃいけないって…
閉じこめていた言葉…
やっと言えた…
やっと伝えられた…
正直なあたしの気持ち。
浅井さん
大好き―――…
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