ずっと大好き…この恋は秘密 …
錯覚?
「み〜のりっ」
11時ちょうど駅の西口に元気な声が響いた。
「祐ちゃん、久しぶり〜」
夏休み入ってから初めて会う祐に、
みのりが笑顔を向ける。
「久しぶりじゃないよ〜!
みのり教習所ばっかで全然暇な日ないんだもん」
阪本 祐とはクラスは隣だが
一番の仲良しだった。
1年の時、委員会が一緒だった事をきっかけに
どんどん仲良くなった。
「まぁ、ご飯でも食べながら話そうよ(笑)」
みのりの言葉に祐が笑顔でうなづいた。
みのり達は
駅の5階のファミレスに入り注文を済ました後
ドリンクバーに向かった。
早めの時間のおかげで
店内は空いていて気持ちがいい。
見慣れたドリンクバーは特に変わりなく
いつものように氷を2つ入れて
アイスティーを注ぐ。
「教習所楽しい?」
「楽しくはない(笑)
けど…」
言葉を詰まらせたみのりに
祐がニヤリと口元を緩ませる。
「出会いでもあった?」
祐の言葉に
みのりが曖昧に笑った。
「それってさ…
勘違いじゃないの?」
運ばれてきたポテトグラタンを
口に運びながら
祐が表情を歪めながら言う。
「…なんで?」
祐の言葉に
みのりが手を止めた。
「なんてゆうかさ…
慣れない運転のドキドキと
好きのドキドキが混じっちゃった感じ?」
「…でも」
「それか車内に2人っきりっていう初めての状況にドキドキしてるとか…」
その言葉にみのりが口を閉じて
視線を落とす。
目の前のオムライスが
暖かい湯気を立たせる。
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