ずっと大好き…この恋は秘密 …



「え…あ、ごめんなさいっ」


みのりが慌てて広げていた雑誌を差し出した。


「あぁ、別にいいよ、見てて」


男は雑誌を受け取らずに
みのりの2つ隣の席に座る。


「…骨折ですか?」


男の右手のギブスを見てみのりが話しかけた。


「うん、もう治るとこだけどね。

…あんたは?


通院?」


「いえ、お見舞いです」


少し顔をゆるませたみのりを見て男が鼻で笑った。


「彼氏か」


「えっ…や、違います!

…知り合いです」


離婚が成立していない手前

“彼氏”とは言えなくて…




それが少し悲しかった。




「あっそ。

バイト探してんの?

その制服南商業だろ?
就職にしても受験にしてもそろそろ試験じゃねぇの?」


男の言葉にみのりは驚いた表情を浮かべる。


「…そうですけど詳しいですね」


男の言った事はすべてあたっていた。


商業高校ってだけでみんな就職だと思われがちだから

男が言った受験という言葉に余計驚いた。



「オレの弟、南商業の3年だから。


三谷っていうんだけど知らないだろうな…
弟地味だから(笑)」





…三谷

なんかどっかで…




みのりが難しい顔をして思いだそうとしていると

男が止めた。


「いいよ、んな顔しなくても(笑)

多分知らないから。


あんた家この辺?
バイト紹介してやろっか」






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