ずっと大好き…この恋は秘密 …
「あ…」
「何、知り合い?」
圭司の言葉にみのりが頷くと
浅井が圭司を見下ろしながら口を開いた。
「知り合いじゃなくて彼氏。
佐倉、行くぞ」
浅井が少し強引にみのりの腕を引っ張る。
「あ、はい。
えっと、圭司くん雑誌ありがとねっ
じゃあ…」
慌ただしく言うみのりに
圭司は笑顔で手をひらひら振っていた。
みのりも少しだけ振り返したが
振り向かずにみのりの腕を掴んで歩く浅井が気になり…
浅井の背中を見つめた。
「浅井さん?
…どうしたんですか?」
遠慮がちにみのりが聞くと
浅井が立ち止まる。
「…佐倉が遅いから
心配になってロビーまで迎えに行ったんだけど…
…あいつ
さっき話してた男、誰?」
みのりは
振り向いた浅井が真剣な顔をしている事に初めて気づいた。
「…さっき知り合ったばかりの人で…
あたしバイト探してたんですけど、
圭司くんちの本屋が
バイト募集してるっていうから
ちょっと話してただけで…」
みのりの言葉を聞くと
浅井がみのりの手を握りなおして歩き出した。
握られた手が
少し痛い…
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