ずっと大好き…この恋は秘密 …


翌日、学校からの帰り道の途中、

みのりは少し遠回りして圭司の本屋を覗いてみた。


昨日浅井との電話の後、

しばらく圭司にもらったお店の電話番号とにらめっこしていたみのりだったが…


なかなか勇気が出なかった。





…やっぱりいいなぁ、本屋さん





まだ新しい外観も騒がしくない店内もみのりの想像通りで

ここで働けるかと思うとドキドキした。



「あっ

…なんだっけ、名前(笑)」


後ろから変な声のかけ方をされて…

みのりが少し警戒しながら振り向く。


「あ〜、病院で会ったのは覚えてんだけど…

なんだっけ?」


困ったように笑うその顔を見て

ぼんやりとしか覚えていなかった圭司の顔が一致する。


「…佐倉」


「あぁ!そうそう!

何?わざわざ来たの?
電話番号なくした?」


みのりの答えにすっきりしたのか、パッと笑顔になった圭司が聞いた。


「ううん…

ちょっと来てみただけで…
ほら、時給とか働く時間とか色々聞きたい事もあって。

でも募集の貼り紙してないんだね。

…もう締め切っちゃった?」


お店の中を探してもバイト募集の貼り紙はどこにも貼ってなかった。


「ううん、貼ってないだけ。

ちょっと来いよ。
話つけてやるから」


「や、別に今すぐとかじゃ…

あっ、ねぇ!圭司くんっ!」


話を聞かずにどんどん店の奥に進む圭司の後ろを

みのりは仕方なくついて行った。




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