ずっと大好き…この恋は秘密 …
お店を出たところでみのりは浅井に電話をした。
『はい』
ワンコールで出た浅井の声にドキドキしながらみのりが話し出す。
「電話、出られなくてすみません」
『オレさ、今佐倉のバイト先の駐車場にいるんだけど…』
「えっ…」
慌てて駐車場を見渡すと
久しぶりに見る浅井の車が目に入った。
一歩足を出してからもう一度立ち止まる。
「…行ってもいいですか?」
『当たり前だろ(笑)
来いよ』
浅井の答えにうれしくなり
駆け足で近寄り助手席のドアを開けた。
微かにタバコの匂いがして
少しドキドキし始める。
「…バイトいつからしてた?」
浅井がなるべく落ち着いた口調で話す。
浅井の問いかけに…
みのりの顔から満面の笑みが消え、
少し気まずそうに話し出した。
「3日前から…
…やっぱり電話しにくくて…
ほら、浅井さん仕事とかあるし…」
『気になってんのは仕事じゃなくて沙紀だろ?』
…聞けるわけない。
佐倉が気にしてるのは痛いくらい分かってる。
気にして電話してこないのも…
本当はわかってるんだ…
「…や、いいよ」
『でもあんまり他の男と仲良くすんなよ』
…オレが言える事じゃねぇよな
オレと佐倉の関係は…
オレが沙紀と別れなきゃ始まらない…
お互い言葉選んでるんじゃ…
一緒にいたってつらいだけだよな…
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