ずっと大好き…この恋は秘密 …
先生の名前
「ね、先生って名前なんて言うの?」
「…や、知らない。
あ、でも手帳見れば…」
みのりが思い出したように
カバンの中から教習手帳を取り出す。
そして校外教習の欄に2つ並ぶスタンプに視線を落とした。
「浅井(遼)…」
『浅井さん』かぁ…
「遼…続きなんていうんだろうね」
「今度一緒になったら聞いてみようかな…」
顔をゆるめながら話すみのりに
祐は笑ってうなづいた。
「うん、そうしなよ」
ゆっくりと食事を終えたみのり達は
その後、お店を出て駅周辺をブラブラして過ごした。
街の中には
タバコの匂いが溢れていて…
その匂いがする度にみのりが振り返る。
そして
浅井じゃないのを確認して…
ため息をもらす。
そんな自分に気付いて
みのりが少し困った表情を浮かべた。
…よりによって
あんな年上の男の人…
あたし
浅井さんが…
好きなの…?
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