ずっと大好き…この恋は秘密 …
静まり返った部屋の中に悟が玄関で立てる音だけが聞こえる。
「うぉ、結構さみぃ~…」
悟の独り言と一緒に玄関の閉まる音が聞こえた。
「…よしっ。
邪魔者追い出し完了(笑)」
浅井がみのりを見てにこっと笑う。
みのりもつられて笑ったものの
いまいち状況が把握できなかった。
「あの…?」
とりあえず笑顔を作りながら話しかけてきたみのりに浅井が笑顔で言う。
「佐倉、こっちおいで」
部屋に入ってからどこに座っていいのかわからず
ずっと立ってたままのみのりを浅井がソファから呼んだ。
「……」
なんだか隣に座るのが恥ずかしくて…
少し戸惑いながら浅井の横に座る。
「…そこじゃなくてここ」
縮こまって座ったみのりに浅井が言う。
浅井が指したのは浅井が広げた脚の間だった。
「やっ、無理ですっ!」
「…オレ誕生日だよね?」
ニヤリと笑う浅井を赤い顔をして困ったように見つめた後
みのりは浅井の前に浅く腰掛けた。
柔らかいソファーがみのりの重みで沈む。
浅井のいる背後が気になりつつも
恥ずかしくて後ろを向けないでいるみのりを
浅井が後ろから包み込んだ。
予想はしていたものの、
抱きしめられてみのりの心臓が飛び出しそうになる。
あまりの緊張とドキドキで
胸だけじゃなくて喉元にも息苦しさを感じながら
みのりは静かに呼吸するのが精一杯だった。
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