ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…ケーキすっげぇうれしかった。
ありがとな」
今までにない距離から聞こえる浅井の声にドキドキしながらも
うれしい言葉にみのりの顔が少し緩む。
「…今日突然来て迷惑じゃなかったですか?」
緊張で少し震えた声でみのりが言うとすぐに答えが返ってきた。
「迷惑なわけないだろ(笑)
おまえはちょっとオレに遠慮しすぎ。
もっとわがまま言っていいよ?
『会いたい』とか『こうして欲しい』とか…
なんかあるだろ?」
みのりは少しのぼせた頭で浅井に聞かれた事を考える。
浅井さんにして欲しいこと…
一番最初に浮かんでしまった事は
とても言える様な事ではなくて…
みのりが慌ててかき消した。
「…いいこいいこ」
「は?」
拍子抜けしたように言った浅井に
みのりが笑顔でもう一度言う。
「頭なでて欲しい!
就職試験も受かったし…」
「…そんなんでいいの?」
納得いかない様子で笑う浅井にみのりが笑顔でうなづく。
「じゃあ、はい」
浅井の手がみのりの髪に触れ、頭を優しく撫でる。
その感覚がとても気持ちよくてみのりは目を閉じた。
夢でも見ているような感覚…
ふわふわしてて…
浅井さんの匂いに少しだけ胸が高鳴って…
気持ちいい…
『あたしを好きになって欲しい』
一番最初に浮かんでしまった言葉が頭の中で揺れている。
…そんなお願い
絶対に言えない。
浅井さんと一緒にいられるなら…
別に好きになってもらえなくたっていい。
浅井さんがあたしに微笑んでくれるなら…
それだけでいい…
頭を撫でる浅井さんの手の暖かさに
なんだか涙がでそうだった。
浅井さん、
大好きだよ…
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