ずっと大好き…この恋は秘密 …


「ただいっまぁ~」


ちょうど5分経ったところで悟が威勢よく玄関を開けた。


「…もう帰ってきやがった」


浅井が軽く舌打ちをして笑いながらみのりを抱きしめていた腕を緩める。


立ち上がった瞬間、急に背中がひんやりした。


緊張していたはずなのに、
離れてしまったことに少しがっかりしたような…


まだドキドキいってる胸を押さえながら浅井を見ると
浅井も小さなため息をついていて

なんだかうれしくなった。




「お酒も買ってきちゃった~。

オレって気がきくよなぁ(笑)」


機嫌よく入ってきた悟が浅井とみのりに笑いかける。


「みのりちゃん、ケーキ早く食べようよ~」


「あ、うん。

じゃあ切り分けるね。


…浅井さん
包丁かナイフ借りていいですか?」


みのりの言葉に浅井もソファから立ち上がる。


さっきまで抱きしめられていたはずなのに、
すれ違う瞬間の浅井の匂いにみのりはドキドキした。





…なんか

初恋みたい…


席替えで席が近くになるだけでドキドキしたけど

それがずっと続いてる感じかも…





「佐倉、はい。


…あ、わりぃ。

悟、フォークあった」


みのりにナイフを渡しながら浅井がわざとらしく悟に言う。


「…つぅか絶対確信犯だろ!

フォークないってありえないし…


あぁっ騙された!」


大げさに悔しがる悟に笑いながらみのりはケーキを切り分けた。


浅井が見てるというだけでナイフもうまく使えなくて
自分自身がもどかしい。


やっと切り分けられたところで用意された3つのお皿にケーキを乗せた。


「はい、悟くん」


まるで弟をなだめるように、
まだ膨れている悟にケーキを差し出すと
悟の顔色が変わる。


「あ、ありがとっ」


それだけで笑顔になる悟にみのりも笑みをこぼした。





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