ずっと大好き…この恋は秘密 …
そして
車に乗るとき一瞬だけ12番車を振り返った。
同じように
教習生から手帳を受け取る浅井の姿があって…
久しぶりの浅井の姿になんだか胸が苦しくなる。
笑顔のない浅井に
みのりは少し安心した。
…浅井さんがあんな風に笑うのは
あたしの前だけがいいなんて…
誰が聞いても
聞いてあきれる…
浅井さんの生徒が男の人で
あたし安心してる…
ふわふわと漠然としていた気持ちが
重みを増す。
浅井さんの姿を見る度…
タバコの匂いがする度…
12番車を見る度に…
どんどん重くなっていって…
気持ちが浅井さんから動かない。
胸が…
苦しい―――…
それが
みのりが『好き』に気付いた瞬間だった。
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