ずっと大好き…この恋は秘密 …

そして
車に乗るとき一瞬だけ12番車を振り返った。



同じように
教習生から手帳を受け取る浅井の姿があって…



久しぶりの浅井の姿になんだか胸が苦しくなる。



笑顔のない浅井に
みのりは少し安心した。






…浅井さんがあんな風に笑うのは


あたしの前だけがいいなんて…




誰が聞いても

聞いてあきれる…






浅井さんの生徒が男の人で


あたし安心してる…







ふわふわと漠然としていた気持ちが

重みを増す。






浅井さんの姿を見る度…




タバコの匂いがする度…




12番車を見る度に…




どんどん重くなっていって…




気持ちが浅井さんから動かない。





胸が…


苦しい―――…






それが


みのりが『好き』に気付いた瞬間だった。




.
< 20 / 475 >

この作品をシェア

pagetop