ずっと大好き…この恋は秘密 …
木曜日の昼休み、
みのりのケータイが震えた。
「メール?
誰〜?」
一緒にお弁当を囲んでいた里奈と美咲達が興味深そうにみのりを見た。
「どうせイタメ…」
光るディスプレイを見てみのりの言葉が止まる。
ディスプレイに映し出されていたのは
『着信 浅井さん』
浅井専用の着信画像がそれを決定づけていた。
今までにない時間帯に動揺しながら
みのりは教室の隅で電話に出た。
『あ、佐倉?』
抱きしめられても、何回キスしても
電話の声だけでドキドキする自分に
本当に浅井が好きなんだと思い知らされる。
「どうしたんですか?
…こんな時間に」
『昼休み(笑)
おまえも休み時間だろ?』
…浅井さんに『おまえ』って呼ばれるの大好き。
あたしが浅井さんのものみたいに感じるから…
「…あたしも昼休みです」
少し顔を緩ませながらみのりが答える。
『さっき清水みのりって子教習してきたんだ。
珍しいよな、同じ名前』
「ひらがなの子ってあまりいないから…」
浅井が他の女の子の隣に座った事を想像すると
みのりの気分が少し下がる。
『…佐倉さ、
今日会えない?』
突然の浅井の言葉に
みのりが一瞬言葉を失った。
「…えっ?」
『…会いたいんだけど』
浅井の言葉にみのりの顔が赤くなる。
ただの電話なのに
下がったり上がったり…
みのりの頭も胸も忙しかった。
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