ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…見間違いじゃない?」
それだけ言うのがやっとだった。
何を言っても見透かされそうな圭司の目が…
みのりの緊張を解かせない。
「…まぁ、いいけどね。
それより浅井って何してる人?
オレどっかで見たことあるんだよなぁ…」
異常な程の心拍数を隠すのに
いっぱいいっぱいでなかなか言葉が出なかった。
「…本当にちょっとしか知らないから…
そこまでは知らない…
病院で彼氏って言ったのは
あたしが言い寄られてるって勘違いしただけだし…」
必死で思いついた嘘が
圭司に信じてもらえるかどうか自信がなかった。
動揺しているのがきっと顔に出てる。
そう思うと圭司から顔を背けたかったが
目を逸らしたら自分の嘘を認めてしまうような気がして
圭司の目を見つめ続ける。
「…それ誘ってんの?」
「は?」
緊張感を取り払うような圭司のふざけた言葉に
みのりが顔をしかめた瞬間、
圭司の手がみのりの頬にあてられた。
あまりの不意打ちに驚いていたみのりが
近づいてきた圭司の顔にハッとして圭司の胸を押した。
重なりそうだった唇が後少しのところで止まる。
「…何?」
呆然とした顔でみのりが聞くと
圭司がにっこりと笑う。
「だって困ったような顔で見つめてるから誘われてるんだと思って。
違った?」
圭司の勝手な解釈に呆れながらみのりが口を開こうとした瞬間…
圭司の唇が
みのりの唇を奪った―――…
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