ずっと大好き…この恋は秘密 …
…キス?
あまりの突然の出来事に頭が回らない。
目を開いたままのみのりの目に
圭司の顔がぼんやりと見える。
圭司からは浅井とは違う整髪料の匂いがした。
「…っ!」
唇を割って入ってこようとした圭司に気づいて
みのりが我に返る。
さっきよりも強い力で圭司を突き飛ばした。
みのりが力一杯突き飛ばしたのに
圭司は後ろに弾き飛ばされる訳でもなく、一歩だけ下がり立ちとどまった。
「…何…すんの?」
みのりが口を手の甲で押さえながら言うと
圭司が余裕気に笑う。
「何って…キス?
別にいいじゃん。
オレ、佐倉の事好きだし?」
悪びれもせずに笑う圭司をみのりが睨みつけた。
「…あたしは
好きな人としかキスしたくないっ!
圭司くんみたいに軽い気持ちでなんて出来ない…
圭司くん最低だよ…
ちょっと気に入ったとかそんな程度で…」
「ちょっと待てよ」
みのりの言葉を圭司が止めた。
「オレ、いつ軽い気持ちだって言った?」
言い返そうと圭司を睨みつけたみのりの目が止まる。
圭司の真剣な顔が
みのりを見つめていた。
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