ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…ごめん
佐倉…ごめんな」
みのりを抱きしめる浅井の腕には力が入っていて少し痛いほどだった。
少しタバコの匂いがする浅井の胸の中でみのりが少しだけ落ち着きを取り戻す。
なるべく言わないようにしていた言葉…
浅井の重荷になるような言葉は言わないようにしていたのに
つい出てしまった本音にみのりの胸を後悔が襲っていた。
『面倒な女って思われたくない』
その一心だったが
抱きしめる浅井の腕の強さに…
少しだけ安心する。
力強く抱きしめる腕が
ここにいていいんだと言ってくれているように感じて…
浅井さん…
大好きなの…
離れたくないよ…
一緒にいられればそれだけでいい…
他には何も望まないから…
だから
お願いだから…
離さないで…
あたし浅井さんを困らせないように気をつけるから…
わがまま言わないようにするから…
だからお願い…
みのりが浅井の背中に回した手に力を込めると
浅井が今までより強くみのりを抱きしめた。
その腕に安心して…
みのりが目を閉じた。
すっぽり包まれた浅井の胸から
ゆっくりと動く心臓の音が聞こえる。
初めて聞く浅井の音に少しだけドキドキして…
でも心地よさを感じていた。
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