ずっと大好き…この恋は秘密 …


真っ直ぐにみのりを見つめたまま…


浅井はみのりの言葉を待っていた。



みのりが赤い目を丸くして自分を見ている。






『…オレの事好き?』


完全な嫉妬だった。




圭司にどんな風にキスされたのか


何を言われたのか


聞きたい事はたくさんあった。





でもそれ以前に…


みのりの気持ちが自分にあることを確認したかった。





だからあんな事―――…









…好きだなんて言わせたって

なんにもならない。



オレは言ってやれないのに…


『好きだ』の一言も言ってやれないのに



それでも佐倉には好きでいて欲しいなんて…



佐倉を繋ぎ止めたいなんて…




オレは

最低な男だ―――…








「やっぱいいや…」


自分への苛立ちから
少し冷たくそう言うと

浅井がみのりの顎を持ち上げた。




そして

親指で唇を開かせて…



無防備になったみのりの唇にキスをした。




深いキスにみのりの体が小さくすくんだのが浅井にも分かったが…

そのまま続けた。





みのりを


自分のものに戻したかった。



自分のそんな幼い欲求をかき消すように

浅井はみのりにキスを続けた。







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