ずっと大好き…この恋は秘密 …



やっと離れた唇から荒い呼吸が漏れていた。


みのりの呼吸の方が浅井よりも少し早い。


息をきらせ
苦しそうなみのりを浅井が優しく抱きしめる。



「…佐倉?」



みのりは浅井の呼びかけに答えなかった。








浅井さんは

あたしを好きじゃない…





そう言い聞かせていないと

バカなあたしは勘違いしてしまう。



優しい笑顔に


力強い腕に


頭をなでる手に



あたしを…

愛おしげに見つめる瞳に




勘違いしてしまう…






『もしかしたら…』


そんな淡い期待を…


持ってしまう…





『浅井さんはあたしを好きじゃない』





『アサイサンハ…

アタシヲ


スキジャ…ナイ』







心が…

張り裂けそう…






みのりの目から涙が溢れた。






いっぱいキスして


抱きしめてくれて


笑いかけてくれて



あんな…


あんな優しい目で見つめてくれるのに…





なんで浅井さんはあたしを好きじゃないんだろう…




なんで…



なんで…?





あたしは


一生



浅井さんに想ってもらえないのかな…




あたしの想いは


あたしと浅井さんの間に浮いたまま…





浅井さんには






届かない―――…








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