ずっと大好き…この恋は秘密 …


「…コーヒー?」


浅井の部屋に入るとコーヒーの匂いがした。


「あぁ、落としといたんだ。

こないだ入れたカフェオレおいしいっつってたから
また入れてやろうと思って。

飲むだろ?」


浅井がキッチンに入りながら言う。


「あ、はい。

こないだのって…
市販のじゃなくて浅井さんが作ったんですか?」


「そうだけど?」


みのりが驚いた顔で口を開く。


「だって…

甘かったですよ?」


「あぁ、牛乳の他に砂糖も入れたし。

おまえ苦いの飲めないだろ(笑)」


浅井が視線を手元のコーヒーからみのりに移し
ニヤリと笑った。



「…なんで知ってるんですか?」



みのりが不思議そうに尋ねると

浅井も首を傾げた。


「初めて会った時、
コーヒー、ブラックじゃ飲めなかったから。


なんで?」


浅井に聞き返されて
みのりが首を横に振った。


あんなたわいない会話を…

小さな動作まで覚えてくれている事が


すごくうれしかった。





期待しない。





そう言い聞かせても


浅井の言葉にみのりの胸が締め付けられる。




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