ずっと大好き…この恋は秘密 …
「今度何かされたらどうするんだよ」
真っ直ぐにみのりを見つめて言う浅井の顔が
あまりに真剣で…
みのりは動揺していた。
浅井が怒ってる理由がわからなかった。
…なんで?
また『やきもち』?
彼女でもなんでもないあたしにやきもち?
好きでもないのに、あたしが他の人と仲良くするのは嫌ってこと…?
なんで怒るの…?
なんで…?
「…じゃあ
どうすればいいんですか…?」
いつの間にか泣き声になっていたみのりに気づき
浅井が少し慌てて答える。
「ごめんっ…
佐倉が悪いんじゃないんだ。
オレがただ気に入らなくて…」
浅井がみのりの手からマグカップを取ってテーブルに置く。
そしてみのりを優しく抱きしめた。
「佐倉、ごめん…
ごめん…」
優しい腕の中でみのりの涙がこぼれ落ちる。
…謝ってほしいんじゃない。
あたしが欲しいのはたった一言なのに…
浅井さんのその言葉があれば
全部解決するんだよ。
あたしの不安も
浅井さんの優しさも
キスする理由も
やきもちの意味も…
全部がその一言で解決するのに…
『好き』
その一言が…
あたしには遠い。
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