ずっと大好き…この恋は秘密 …
「ところで彼氏とはうまくいってんの?」
本屋の裏の倉庫で在庫整理をしていると圭司が話しかけてきた。
何回聞かれたかわからない質問に
みのりがため息をつきながら答える。
「だから彼氏とかじゃないんだってば」
言うと必ず自分でもむなしくなる。
でも否定しないといけない気がして毎回毎回否定する。
毎回切なく痛む胸がみのりにため息をつかせた。
『まだこんなに好きなんだ…』と。
…嫌いになんてなれるはずないのに。
「まだとぼけんだ?
なぁ…
浅井って彼女でもいんの?
そこまでとぼけなくても…」
「圭司〜!!」
2人きりのはずの倉庫に騒がしい声が響いた。
2人の視線の先には
勢いよく走ってくる女の子の姿…
「またかよ…
仕事中はくんなっつったろ」
圭司が呆れたように言った後
みのりに視線を移して言う。
「友達の清水。
なんか片思い中らしくていちいち相談してくんだよ」
圭司の言葉に相づちだけ打ち
みのりはまた本の整理を始めた。
「圭司〜…
振られたぁ」
整理をしつつも
清水の第一声に耳が傾いてしまって…
みのりが頭をぶんぶんと振った。
「振られたって…
例の教習所の男に?」
『教習所』
圭司の口から出た言葉に…
みのりの手が止まった。
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