ずっと大好き…この恋は秘密 …
「浅井って…
茶髪で緩めのパーマの…?」
圭司が呆然としながらも真相を確かめようと清水に聞いた。
「うん。
よく知ってんね。
圭司が教習通ってた頃もいたの?」
「あぁ…」
圭司が曖昧な返事をしながら視線をみのりに移す。
「でもね、浅井さん教習ん時優しかったんだよ〜。
あんなんじゃ絶対あたし意外にも好きになっちゃう子いるって」
…聞きたくない。
他の子の口から浅井さんの名前も
浅井さんの事も聞きたくない。
みのりは逃げるように倉庫から店内に繋がるドアを開けた。
「佐倉っ」
後ろから圭司の呼ぶ声が聞こえたが振り向かなかった。
振り向けなかった。
前、祐ちゃんに言われたっけ…
浅井さんにじゃなくて
車に2人っきりって状態にドキドキしてるだけだって…
本当にそうだったらよかったのに…
ただの錯覚なら…
憧れならよかったのに…
こんなに近くにいられたって
浅井さんの気持ちが遠いんじゃ意味ないよ。
浅井さんの気持ちだけが…
遠くて見えない。
でも本当は…
浅井さんの気持ちの中に
あたしの居場所がないのを見るのが恐くて
見ないふりをしてるのは…
あたしだ。
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