ずっと大好き…この恋は秘密 …


「佐倉!」


圭司がみのりを追って店内に入ってきた。


みのりが圭司の呼びかけに振り向かないまま立ち止まる。



「…清水さんは?」


「帰った」


2人の間に気まずい空気が流れる。


はっきりわかったくせになかなか言い出さない圭司にイライラしてみのりが先に口を開いた。



「圭司くんの考えてる通りだよ」


目を合わさないみのりを圭司が見つめている。






…この目は嫌い。


全部見透かすような目。


あたしの奥にある汚い感情まで見透かされてそうで…




「佐倉…」


「もう構わないでよっ…

関係ないでしょ?!


…あたしだって
ちゃんとわかってる…

離れなきゃいけないってわかってるっ」





さっきの清水にやきもちを妬いたのか

はっきり言わない圭司が頭にきたのか


離れられない自分に嫌気がさしたのか…





圭司に怒鳴りつけた後

みのりの頬を涙がつたっていた。




「…オレ事情はよくわかんねぇけど…


泣いてまで傍にいたって意味ないんじゃねぇの?

一緒にいて楽しくなきゃ意味ねぇよ」



圭司の言葉を聞きながら
みのりは涙を拭いた。



店内から少し入った従業員通路に、

店内に流れるクラシックが微かに聞こえていた。






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