ずっと大好き…この恋は秘密 …



「…楽しいよ。

一緒にいれば楽しい」




言い返すつもりなんてなかった。




圭司とはなるべく深く関わらないようにしてたはずのみのりが言葉を返したのは…


自分の気持ちを

浅井への気持ちを否定された気がしたからだった。





「じゃあ何で泣くの?」




…なんで?




圭司がみのりを静かに見つめている。


完全に圭司のペースに乗せられていた。





普段なら答えない質問…


『関係ない』の一言ですり抜ける質問…



みのりが圭司を見据えた。




初めて…

圭司とみのりの視線がぶつかる。





「…浅井さんが好きだから」






この気持ちだけは誰にも否定してほしくない。


いけない想いだとしても

嘘つきたくない。




だけど…


いいのかな…


浅井さんを好きでいても…



面倒くさいって思われたくなくて浅井さんにすら
なかなか言えない想い…



本人にも言えない想いなんて…





つらすぎるよ。





『浅井さんが大好き』って…


あたしが毎日言っても

それでも浅井さんは今までと同じように傍にいてくれる?


笑いかけてくれる?





上辺ばかりの会話をして

本当に言いたいことは胸の奥にしまう…





あたしのつきあい方は間違ってる。





だけど


浅井さんが離れていっちゃうのが恐い…




恐くて仕方ないの…







みのりの瞳から涙が落ちるのを圭司が見つめていた。







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