ずっと大好き…この恋は秘密 …



「…説得力ねぇな」


圭司がみのりの頬に触れた。


反射的に体をすくませたみのりに圭司が笑う。


「別に何もしねぇよ(笑)

涙拭いてやろうと思っただけ」


笑顔で言う圭司をみのりが睨んだ。



「いい。

…それより浅井さんの事…」


「言いふらしたりしねぇよ」


ぶっきらぼうに言った圭司に…

みのりが言葉を失った。



絶対に言いふらすと思ってたから圭司から出た言葉は意外だった。



「なんだよ」


信じられないといった表情で見ていたみのりに

圭司がきょとんとして言う。



「…なんでもない。

ありがとぅ…」


みのりがお礼を言うと
圭司は少しだけ笑って倉庫の仕事に戻った。




圭司の言葉も意外だったが…




『浅井さんが好きだから』


圭司相手にあんな事を言ってしまった自分にも驚いていた。









…ごまかせばよかったのに。




みのりを少しだけ後悔が襲う。


でも正直…

気持ちがすっきりしていた。







…浅井さんには言えない言葉が多すぎるから


ちょっとたまってたのかな…



『浅井さんが好きだから』


あんな事

浅井さんには言えないもん。



だけど

本当は言いたい。



伝えたいよ…


こんなに好きだって…




だけど傍にもいたい。



あたしはなんて貪欲なんだろう…









もう



『好き』でいるだけじゃ

満たされない…







.
< 258 / 475 >

この作品をシェア

pagetop