ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…説得力ねぇな」
圭司がみのりの頬に触れた。
反射的に体をすくませたみのりに圭司が笑う。
「別に何もしねぇよ(笑)
涙拭いてやろうと思っただけ」
笑顔で言う圭司をみのりが睨んだ。
「いい。
…それより浅井さんの事…」
「言いふらしたりしねぇよ」
ぶっきらぼうに言った圭司に…
みのりが言葉を失った。
絶対に言いふらすと思ってたから圭司から出た言葉は意外だった。
「なんだよ」
信じられないといった表情で見ていたみのりに
圭司がきょとんとして言う。
「…なんでもない。
ありがとぅ…」
みのりがお礼を言うと
圭司は少しだけ笑って倉庫の仕事に戻った。
圭司の言葉も意外だったが…
『浅井さんが好きだから』
圭司相手にあんな事を言ってしまった自分にも驚いていた。
…ごまかせばよかったのに。
みのりを少しだけ後悔が襲う。
でも正直…
気持ちがすっきりしていた。
…浅井さんには言えない言葉が多すぎるから
ちょっとたまってたのかな…
『浅井さんが好きだから』
あんな事
浅井さんには言えないもん。
だけど
本当は言いたい。
伝えたいよ…
こんなに好きだって…
だけど傍にもいたい。
あたしはなんて貪欲なんだろう…
もう
『好き』でいるだけじゃ
満たされない…
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