ずっと大好き…この恋は秘密 …

「はい、ご苦労さん。

15分休憩ね」



サービスエリアに車を停車したところで浅井が言った。



「これでジュースでも買いな」


浅井がみのりと三谷に200円づつ渡す。



「…なんかすみません」


「本当だよ。

大人って大変だよな(笑)」



あ…


行っちゃうんだ…




そう言って車を後にした浅井をみのりは残念そうに眺めた。



暇つぶしにみのりも屋台や自販機のあたりをうろうろして…

自販機で飲み物を買おうと
手に握っていた200円に目を落とす。




……。



そして

その2枚の100円玉をお財布にしまい、

他の100円玉を取り出した。




初めて浅井からもらったものを…


例え100円玉でも
とっておきたかった。





お茶を買って
自販機コーナーからでると

灰皿のそばでタバコをふかす浅井の姿を見つけた。




…なんで


浅井さんを探しちゃうんだろ…




たまたま見つけたんじゃない。




あたしの目が…


無意識に探してるんだ…




慣れた手付きで

次のタバコに火を着ける仕草が…


みのりの胸を高鳴らせる。




うつむきながら
タバコの煙を吐き出す浅井は…



みのりの知らない

『大人の男』だった―――…







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