ずっと大好き…この恋は秘密 …
しばらくして浅井が口を開いた。
「もうバイト終わり?」
みのりが大きく頷く。
「じゃあ送るよ。
悟の車借りてきたんだ」
浅井が駐車場を親指で差しながら言う。
浅井の笑顔にみのりも小さく笑顔を作った。
なんだか…
いつもと違う雰囲気に嫌な予感がしていた。
自転車を車に積む浅井の後ろ姿をみのりが見つめていた。
そんなみのりに気づくと…
浅井が優しく微笑んだ。
車に乗ると缶コーヒーが2本置いてある事に気付いた。
そのうちの一本を浅井がみのりに差し出す。
「ちゃんと甘いのにしといたから(笑)」
みのりが受け取ったのは『ココア』だった。
浅井の手元を見るとブラックのコーヒーが握られている。
「…浅井さん甘いの苦手なんですか?」
「ううん。でもコーヒーはブラックが好きかな。
大人の男っぽいだろ」
浅井の無邪気な笑顔にみのりも少し安心して微笑む。
車を走らせようとしない浅井が気になりながらも
平然を装った。
ふと、昨日のメールが頭に浮かび
言おうかどうか迷って口を開けた時…
浅井の声と重なった。
「浅…」
「佐倉」
視線に気づきみのりが浅井を見ると…
真剣な顔をした浅井がみのりを見つめていた。
「…何ですか?」
真剣な目をした浅井に戸惑いながらみのりが聞く。
少しの沈黙の後
浅井がみのりから目を逸らしてから口を開いた。
「もう…終わりにしよう」
時間が…
止まった―――…
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