ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…ふ…っ…」
車内にみのりの小さな泣き声だけが聞こえていた。
震える肩を
濡れた瞳を
きつく噛みしめてる唇を
漏れる吐息を
隣にいるみのりを全身で感じながら…
浅井はきつく目を瞑っていた。
きつく抱きしめて
キスをして
優しい言葉をかける。
そんな自分を想像する。
…多分、佐倉も待ってる。
オレだって
抱きしめてやりたいよ。
佐倉の涙が止まるまで…
朝までだって
許されるなら抱きしめてやりたい…
だけどそれじゃ何も変わらない。
オレが沙紀と切れない限り佐倉は泣き続けるんだ…
オレに隠れて…
『離婚するまで待ってて』
そう言えば佐倉はきっと待ってる。
だけど…
沙紀がいつ納得してくれるかも分からないのに
無責任にそんな事言えない。
佐倉の未来を
オレに縛り付けるなんて…
無理だよ。
許されない。
だから…
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