ずっと大好き…この恋は秘密 …
あれから圭司はみのりに何も言ってこなかった。
あの告白以降も2人の関係は特に変わる事はなかった。
圭司の告白を意識しながらも、
普通に接してくれる圭司にみのりはほっとしていた。
圭司の優しさが胸を締め付ける。
自分の気持ちをよく知っているから…
たった1人にしか反応しない自分を知っているから…
「佐倉はクリスマスどうすんの?」
不意に圭司が聞いた。
みのりは圭司と倉庫整理をしていた。
最近は店内より裏の仕事をする事の方が多い。
寒くて体力のいる倉庫の仕事はあまりしたがるバイトがいない。
そんな状況に気を使って引き受けていたみのりだったが
なんとなく圭司とみのりが定位置になってしまっていた。
12月に入ってからはますます寒さが増して吐く息が白い。
「…わかんない」
期待させたくないから曖昧な返事はしたくなかった。
でも嘘をついても全部見透かされそうな圭司の目に
結局出てきたのははっきりしない言葉だった。
「じゃあオレと…」
「圭司〜」
圭司の声に重なったのは騒がしい声。
以前にもあった光景。
清水が圭司に向かって走り寄ってきていた。
圭司のため息が倉庫に寂しく響く。
「仕事中はくんなって…
今日はなんだよ?」
呆れながら圭司が聞く。
「先週、振られてから初めて浅井さんと話しちゃった!」
「え…」
再び清水の口から浅井の名前を聞くとは思ってなかったみのりが思わず声を漏らす。
清水が不思議そうにみのりを見つめた。
「あっ…ごめんなさい」
「…佐倉も清水と同じ教習所行ってたから浅井の事知ってんだよ」
圭司のフォローにみのりが頷く。
「そぉなんだ〜。
かっこいいよね、浅井さん!
じゃあ佐倉さんが行ってた時も浅井さんジッポ持ってた?」
清水の言葉にみのりが過敏に反応した。
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