ずっと大好き…この恋は秘密 …
朝一番に
浅井はジッポのオイルを入れ替えていた。
寒さで手がかじかんでいて
なかなかうまくできずに手こずっていると
オイルタンクに彫ってある文字に気づいた。
『内側に文字彫ってくれるっていうから』
浅井の頭に清水の言葉が呼び起こされる。
…佐倉も何か彫ってもらったのか?
それとも元々彫ってある文字…?
浅井がゆっくりとオイルタンクの文字を目に映す。
メッセージを見た浅井の顔が緩んだ。
たった6文字の言葉。
みのりの
一番伝えたかった言葉…
『ずっと大好き』
「まだ高校生だろうが(笑)
ひらがなで『ずっと』って…
せめてローマ字とかにしろよ(笑)」
呆れたように笑いながらため息をつく。
みのりのメッセージを大げさだと思いながらも
にやけてしまう顔をとめられなかった。
『ずっと大好き』
「…オレもだよ」
小さくつぶやいた。
テレビの天気予報が始まり浅井は画面に目を移す。
『残念ながらホワイトクリスマスにはならなそうです。
その代わりきれいな星空が…』
…今日イヴか。
テレビを見て初めて気づいた。
やっぱり佐倉と別れてから少しおかしかったんだな…
もう2ヵ月近く経つ…
ごめんな…
佐倉。
傷つけたし、たくさん泣かせた。
今度は泣かせないから…
オレが守るから…
もう一度オレの隣で笑って…
今日
会いにいくから…
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