ずっと大好き…この恋は秘密 …
教習所に着くとみのりが車から降りる。
「ありがとぅ」
「…帰りも待っててもいい?」
圭司の言葉にみのりは少し戸惑ってから首を振った。
「…そんな事までお願いできない」
「オレにとっても今日は大事な日なんだ。
…頼むよ」
圭司の寂しそうな笑顔にみのりが頷く。
『浅井さんに振られたら圭司くんと付き合う』
そんなのバカげてるよ…
『浅井を忘れなくてもいい』
そんなんじゃ一緒にいたってつらいだけだよ。
あたしがそうだったから…
だけど…
一時の幸せを感じたくて…
続かないって分かってても浅井さんの傍にいることが幸せだったの…
きっとあたしは浅井さんを忘れられない。
圭司くんを傷つける。
でも
言えないよ…
「帰って」なんて…
浅井さんにそんな事言われたら
あたしは耐えられないから…
だから言えない。
みのりは困ったように微笑んでから車のドアを閉めた。
すっかり暗くなった空の下で明るく光る教習所に
みのりが足を踏み入れる。
心臓がドキドキし始める。
泣き出しそうなくらいの緊張を感じながら
みのりは教習所の建物に入った。
外とは違って暖房がきいてて暖かい室内。
思い出がたくさん詰まった場所。
緊張感の中に
少しだけ懐かしさが混じった。
「みのり」
里奈が呼びかけて手を振ったのでみのりも振り返す。
里奈の笑顔に泣きそうだった。
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