ずっと大好き…この恋は秘密 …
「みのり〜!」
ぼんやりと掲示板を眺めていたみのりに
美香がかけよってきた。
「あたし受かったよ〜!
…みのりは?」
「…あたしも」
素直に喜ぶ美香に
みのりも愛想笑いを返した。
書類は学校に送ることになっているため、
すぐに帰っていいと言われ
みのりはロビーを後にした。
自転車置き場まで来た時に
もう一度教習所を振り返る。
今帰ったら…
もう…
しばらく立ち尽くしてから
みのりはロビーに引き返し
受付のおばさんに
姿の見えない浅井の居場所を尋ねた。
「昼休みはいつも2階の畳の部屋で寝てるよ。
応急処置習った部屋ね」
みのりがおばさんにお礼を言い
階段を上がる。
…会って
どうするんだろう…
でも…
「あれ?
帰ったんじゃなかった?」
途中、美香に呼び止められた。
「あ、うん。
お礼言いたい先生がいて…」
「へぇ…誰?」
「浅井さん…」
その名前を出すだけで…
少し胸が苦しくなる。
「あ〜、あの若い人?
あたしも言っとくかな」
みのりの後を追い
階段を上がってきた美香を
少し残念なような…
心強いような…
複雑な気持ちで見ていた。
…浅井さんと2人きりだったら
あたし…
言っちゃってたかもしれない…
『好き』って…
…なら
これは…
『言うな』っていう
神様からのメッセージ…?
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