ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…うまいっすね」
「な。
あれだよ、おまえも確か教えてた子。
あの〜…
夏休み来てた南商業の…」
渡辺の言葉に浅井の手が止まる。
「佐倉みのり?!」
浅井の真剣な声にびっくりしながら渡辺が頷いた。
「あぁ…確か。
知り合いか?」
渡辺の言葉には答えずに
浅井が喫煙室を飛び出した。
教習所の中にはみのりの姿がないことを確認して外に出る。
Yシャツ一枚だったが寒さも気にならなかった。
辺りを見回してから…
浅井は走り出した。
…まだ近くにいるはず。
佐倉、
どこにいる…?
教習所の門から公道に出る。
車の通りが少ない道は薄暗く人影は見えなかったが
それでも浅井の足は止まらなかった。
冷たい空気を急に吸い込みすぎて喉が痛い。
少し咳込みながらも
みのりの姿を探す。
どうしても伝えたい事がある。
まだ
間に合うよな…?
吹き付ける冷たい北風が
体中に刺さるようだった。
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