ずっと大好き…この恋は秘密 …
「自転車は…
また取りにくればいっか」
車に乗り込んで言う浅井にみのりが首を振った。
「あ、自転車で来てないから大丈夫です」
言ってから…
まずいと思った。
「自転車じゃないって…
どうやって来たんだよ?」
予想通りの浅井の返事に…
みのりが少し躊躇した後答える。
「…圭司くんが送ってくれて…」
みのりの言葉に浅井がまた寂しそうな顔をする。
「そっか…」
一言だけ呟いて浅井が車のハンドルを切った。
「…あいつ
佐倉が好きなんだろ?」
前を向いたまま聞く浅井にみのりが頷く。
「…少し前に告白された」
…全部言った方がいいのかな…
だけど…
『浅井さんに振られたら付き合う約束してた』なんて…
浅井が黙っていたから
みのりも何も言わなかった。
浅井が何を考えてるのかわからなくて…
みのりは外の流れる景色を眺めた。
街のイルミネーションがとてもきれいで…
見とれてるみのりに気づいたのか
浅井が車を止めた。
「ちょっと見てくか。
…外は寒いから車の中から(笑)」
みのりが笑顔で頷く。
その笑顔を見て浅井が微笑んだ。
イルミネーションを見に来たのか
今日がクリスマスだからなのか
やたらと人通りが多い。
車も何台も路上駐車していた。
「路駐…
いいんですか?」
みのりの言葉に浅井が吹き出す。
「別にいいよ(笑)
オレ警察じゃねぇし。
大体路駐自体は違反じゃねぇし…」
「へぇ」と感心しているみのりを見て
浅井が聞いた。
「『本音と建て前』って…
覚えてる?」
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