ずっと大好き…この恋は秘密 …


「はい。

浅井さんが前言ってた言葉だし…」


頷いたみのりを見て浅井が微笑む。



「沙紀と結婚してからは…

ずっと建て前で生きてきたんだ。


本音なんか出して面倒くさい事になんのなんかやだったし…」



そう話す浅井の顔が…

寂しそうだった。



「…さっき佐倉を抱きしめたって

面倒くさい事になるだけだって何度も自分に言い聞かせた。



でも…

止まらなかった」


浅井がみのりから目を逸らし
人混みでよく見えないイルミネーションを見つめた。


車からは大きなクリスマスツリーの上半分だけが見える。


「オレと付き合ってたってつらい思いさせるだけだって…

そう思って別れたのに…


オレ何やってんだろうな」



そう言って呆れたように笑う。






…また

寂しい顔…



「…浅井さん

なんでそんな顔して笑うの?」


みのりの言葉に浅井が少し躊躇してから答える。



「…罪悪感かな。

オレ、自分のわがままで佐倉連れてきちゃったけどいいのかなって…


オレ、どう理由つくっても結婚してるしさ…

何度も傷つけたのにまた佐倉を泣かせたら嫌だなって…」




目を閉じたまま言う浅井にみのりが口を開いた。





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