ずっと大好き…この恋は秘密 …


「佐倉なんでケーキ渡辺さんにあげちゃったんだよ」


一通り食べ終えて

デザートのショートケーキを突っつきながら浅井が拗ねたように言う。



「え、だって…

浅井さんに振られたと思ったから…


持って帰るのも嫌で…

…なんで渡辺さんにあげたの知ってるんですか?」


驚いているみのりに浅井が不機嫌なまま答える。


「…喫煙室行ったら渡辺さんがケーキ食ってて…

で、佐倉が持ってきたって聞いたから。


…つぅか

オレ佐倉の事振ってないよな?」



「だって…

声かけようとしたら可愛い女の子に告白されてたんだもん!


『誰とも付き合う気ない』って聞いちゃったから…」



浅井の顔が困ったような表情に変わる。


そしてうつむいて少し笑う。


「…見てたのか(笑)」


「…あんな可愛い子が振られたらあたしだって振られるって思うじゃないですかっ

だから…」


口を尖らせるみのりを浅井が愛おしそうに見つめる。


その視線に気づいたみのりがちらっと浅井を見た。


「…何?」


みのりが聞くと浅井が微笑んだまま答えた。



「やきもち妬いてて可愛いなぁって思って。


…オレから見たら佐倉の方が可愛いけど?」



普通に言う浅井にみのりが俯いた。


「…佐倉?」


浅井の呼びかけにも顔をあげられなかった。





絶対にわざとだ…


わざとあたしを照れさせて面白がってる…





膨れた顔で浅井を見ると

「ん?」と

優しく微笑む浅井の顔があって…




みのりはまた俯くしかなかった。



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