ずっと大好き…この恋は秘密 …



「…浅井さんてモテますよね」


俯いたままぽつりとみのりが言った。


「別にモテねぇよ(笑)」


グラス片手に笑う浅井に見とれながらも言葉を続ける。


「うそ!

だってあたしが知ってるだけでも2人…


今日浅井さんを待ってた派手な子入れたら3人ですよ?

十分モテてるし…」


膨れるみのりに浅井が笑う。


「車ん中ってさ特別な空間じゃん?

密室だし。


で、生徒は運転になれなくて緊張してる。

その時隣にオレがいただけ。

本気じゃねぇよ」


余裕のある浅井になんだか悔しい思いが湧き上がる。








『きっと中には本気の子だっている』


そう言えないあたしは子供だ。


伝える事で浅井さんが他の子を好きになっちゃう気がして言えない。


浅井さんに『好きだ』って言われた途端に出てくる独占欲。





なんであたしはこんなにわがままなんだろう…





「何考えてる?」


浅井の言葉にみのりが顔を上げると
浅井がにこっと笑う。




その笑顔が

仕草が大人に見えて余計に悔しい。





『独り占めしたい』


でもこんな大人の男の人を独り占めする魅力なんてあたしにはないよ…


こんなに大切にされてるのに

まだ信じられないもん。


浅井さんがあたしを好きなんて…





数時間前の浅井の告白の言葉を思い出し


みのりの顔が赤くなる。



火照った顔を両手で隠したみのりを見て

浅井がニヤリと笑った。




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