ずっと大好き…この恋は秘密 …


「じゃあ行くか」


寝室から戻ってきた浅井は教習所の制服を着ていた。


Yシャツに濃いグレーのズボン。


グレーというよりは黒に近い。


まるでスーツみたいな制服。







何度も見つめた制服。

あたしが好きになった『先生』の浅井さんの姿…



なんだかその姿が懐かしく感じてみのりは浅井を見つめた。


部屋を出る前に浅井がブルゾンを羽織る。







…かっこいい。



浅井の制服姿にドキドキしながら
みのりは浅井の後ろに続いて部屋を出た。


「制服姿の浅井さんの隣に乗るなんてなんか変ですね」


車に乗る時にみのりがそう漏らしても浅井は何も答えなかった。


「浅井さん?」


不思議に思い

エンジンをかける浅井にもう一度声をかける。


すると浅井が前を見たままぼそっと言う。


「敬
語禁止」


「あ」


みのりが口を押さえる。


しばらく静まり返った後…

みのりが話しかけた。



「冬休みはいつからなの?…ですか?」


その言葉に浅井が吹き出す。


「おまえっ…(笑)

日本語おかしいし。

『なのですか?』って何だよ(笑)」


「だってっ…

急に敬語禁止なんて言われると難しいんだもん」


恥ずかしがるみのりに浅井が笑いながら言う。



「まぁ徐々にな(笑)」


そう言って笑顔を浮かべながら
前を見てハンドルを握る浅井を

頬を赤くしたみのりが見つめていた。




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