ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…頑張って敬語やめるから
浅井さんにもお願いしてもいい…?」
俯いていたみのりが
ちらっと浅井を見上げながら言った。
「ん?
なに?」
浅井が笑顔で聞き返すと
みのりが恥ずかしげに口を開いた。
「…名前で呼んで欲しいなって…
昨日の夜みたいに…」
一回だけ呼ばれた名前…
薄れてしまいそうな記憶の中でも鮮明に覚えてる。
『みのり…
愛してる…』
絶対に忘れないよ。
あんなにうれしい言葉…
急にその時の状況まで頭に浮かんでしまい
みのりは赤くなった顔を隠した。
「了解(笑)
でも…昨日の夜言った事は…
まぁ…本当の事だし…
忘れなくていいんだけど…
つぅか…やべ、かなり恥ずかしい…」
気まずそうに笑いながら言う浅井を見て…
みのりがうれしそうに笑った。
浅井の車は
やけに信号に引っかかって…
「ラッキー(笑)」
浅井が子供みたいな笑顔で言う。
そんな浅井にみのりも笑みをこぼした。
少しでも長くいられる事を喜ぶ浅井の姿が
うれしかった。
「浅井さん好き」
「オレも好き…って今日だけで何回言わせんだよ(笑)」
当たり前に答えてくれる事がうれしすぎて…
みのりが運転する浅井の腕に飛びついた。
「あぶねぇって(笑)」
厚手のブルゾンのモコモコした感触が
とても気持ちよかった。
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