ずっと大好き…この恋は秘密 …


家についてから
みのりはお風呂に入った。


暖かいシャワーが湯気を立てる。


浴室の鏡が曇っていくのをぼんやりと眺めていた。


鏡に映る胸のキスマークがなんだかうれしいような恥ずかしいような…



「夜電話するから。

あ、21時にするからそれまでに風呂入っとけ(笑)」


帰り際に浅井が言った言葉を思い出し顔が緩む。





あたしが電話待ってお風呂朝入らなくてすむように気をつかってくれたんだよね…


優しいなぁ…


優しいし、かっこいいし、かわいいし、大人だし…




本当に好き…


浅井さんより素敵な人なんか絶対にいないよ…



絶対にいない…




何も考えていなくても
にやけてしまう顔を両手で押さえながら自分の部屋に戻った。



1日振りの部屋がなんとなく新鮮に感じる。





変な感じ…


男の人の家から朝帰りなんて初めてだ…



しかも浅井さんの家から…





のぼせた訳でもないのに真っ赤になった顔で
充電していたケータイに手を伸ばす。


そして新着メールがあることに気づいた。


ケータイにぶら下がっている雪だるまに
またしてもにやけながらケータイを開く。



from.里奈
sub.大丈夫?
――――――――――

みのり大丈夫?
つらいかもしれないけど出ておいでよ。
ずっと家にいるよりも気分転換になるよ!

いっぱい泣き言聞くからさ。

ドーナツおごるし(笑)

――――――――――





あ…

そっか、里奈は振られたままだと思ってるんだ…


そうだよね…

最初は振られたんだよね…


告白現場を目撃しちゃて…

放心状態のまま教習所を出たんだ…


里奈はそこまでしか知らないんだ…






なんか昨日だけで色んな事が起きすぎて頭がこんがらがってる。





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