ずっと大好き…この恋は秘密 …
「…もし浅井に振られてたら
浅井が追いかけてこなかったら…
オレの事好きになったと思う?」
圭司の言葉にみのりが真剣な表情をする。
それは…
みのりが自分に何度も問いかけた言葉…
圭司に告白された時から
ずっと問いかけてきた言葉…
しばらくの沈黙の後
みのりが答えた。
「…ごめんね」
みのりの答えに圭司が笑う。
「おまえ、ここは嘘つけよ(笑)
『好きになってたよ』
とか言うべきだろ(笑)
…でもまぁ
おかげですっきりしたけど」
圭司がみのりを振り向き
「おまえも早く来いよ」
そう残して部屋を出た。
圭司が部屋を出た後も…
みのりは圭司が閉めたドアを見つめたままだった。
…ついたよ。
『嘘』
あのまま圭司くんの車に乗ったままだったら…
きっといつかは圭司くんの隣で笑ってた。
本当は優しい圭司くんに守られながら笑ってたよ…
…だけど言わない。
だって…
浅井さんは追いかけてきてくれたから。
あたしを見つけて抱きしめてくれたから…
だから
やっぱり
今のあたしには考えられない。
浅井さんじゃない人を好きになるなんて事…
でも…
『ありがとう』
何度も何度も心の中で繰り返した。
『ごめんね』
『ありがとう』
『ありがとう』…
圭司の後を追うようにみのりは部屋を後にした。
通路で店長と圭司が有線の事で口げんかしていて
思わず笑った。
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