ずっと大好き…この恋は秘密 …


みのりの言葉に圭司は少しみのりを見つめた後
背中を向けてしまった。


黙ったままの圭司に

やっぱり余計な事を言ってしまった気がしてみのりが慌てて圭司に言う。


「ごめんっ…

なんか無神経なこと…


でもっ

菜々子さんが不幸だったとはどうしても思えな…」


圭司がみのりの言葉を遮る。


「サンキュ」


穏やかに笑った圭司が

みのりを抱きしめていた。


いつもなら暴れるみのりも
なんとなく嫌がることができずにいた。


突然だったから…

というよりは圭司の腕がとても優しくて…


嫌がれなかった。



「オレを選ばなかった事後悔すんなよ(笑)」


そう言って圭司が憎たらしく笑う。





一瞬言葉が出なかったのは…

圭司の声が少し震えているような気がしたからだった。



「…しないよ。

でも…

圭司くんの気持ちは忘れないよ。

…数少ないあたしの自慢なんだから(笑)」



みのりの言葉に

圭司はみのりの頭を軽く叩いて


「ばぁか(笑)」と笑った。





『菜々子さんが不幸だったとは思えない』


余計な事だったよね…


みのりは自分の言った言葉を思い出して少し後悔していた。





…月並みの言葉なんか

何の救いにもならないのに…


いくら考えたって菜々子さんの気持ちは菜々子さんにしかわからない。



あたしが代弁なんかできることない。




でも同じ女だから…


少しくらいはわかると思うんだ。




圭司くんに愛された菜々子さんの気持ちが…






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