ずっと大好き…この恋は秘密 …
「だってっ…
無理…」
顔を手で隠したまま俯いてしまったみのりに
浅井が意地悪を言う。
「早くしないと1分毎に1秒増やすぞ?」
「…意地悪。
浅井さん絶対意地悪だよっ」
みのりの言葉に
「はいはい」と浅井が余裕の態度で答える。
「はい、1分経過」
ニヤっと笑う浅井の肩をみのりが少し睨みながらつかんだ。
「…目、つぶってて…」
後数センチまで近づいたみのりの唇が動く。
浅井が目を閉じた事を確認すると
みのりも目をギュッとつぶって浅井にキスをした。
…触れるだけのキス。
「…全然大人のキスじゃないんですけど」
目の前で顔を両手で隠しているみのりを
浅井がからかう。
「いいからっ…
今するから目つぶって待ってて!」
いっぱいいっぱいのみのりに
浅井が笑いながら再び目を閉じる。
少しして
意を決したようにみのりが浅井の唇に自分の唇を押しつけて―――…
―――…チュッ
二度目も触れるだけで唇を離した。
「おまえさぁ…」
「だってっ…!
無理だよぉ…恥ずかしいもん…
絶対無理…他の事なら何でも…」
パッと顔をあげたみのりの頭を浅井が引き寄せる。
唇の動きが伝わってくるほどの距離までみのりを引き寄せてから浅井が言った。
「…つぅかオレも無理。
挑発してるとしか思えないんだけど」
そう言い終わると同時に今度は浅井から唇を重ねた。
「…っん…」
みのりのしたキスとは違う…
…―――大人のキスだった。
一瞬にして車の中が
甘い空間に変わる―――…
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