ずっと大好き…この恋は秘密 …
「あぁ…
みのりの前じゃ吸わないようにしてるから」
浅井はその後
「体に悪いからなぁ」と付け加えた。
「…止めないの?」
みのりが聞くと浅井が曖昧に笑う。
「ん〜…
止めようとすれば止められるんだけどなぁ…
そんなに吸うわけじゃねぇし…
…みのりが止めて欲しいなら止めるけど?」
浅井の言葉に
みのりが少し考え込む。
「…吸ってるとこかっこいいって思うんだけど…
やっぱり体に悪いし止めた方がいいと思う。
けど…」
「けど?」
信号が赤に変わり
ブレーキを踏んだ浅井がみのりを見る。
言いづらそうにしていたみのりが
浅井をちらっと見て
浅井の胸ポケットを指差した。
「タバコ止めたら…
これいらなくなっちゃう…」
その言葉に浅井が優しく笑う。
そしてみのりの頭を撫でた。
「そんな訳ねぇだろ。
これはもうオレの体の一部だからな。
タバコ止めても大切に持ち歩くに決まってんだろ」
浅井に頭を撫でられながら
みのりが恥ずかしげに笑みをこぼす。
浅井の左の胸ポケット。
みのりのプレゼントしたジッポの特等席―――…
『ずっと大好き』
みのりの気持ちが
一番近い位置から
浅井に甘くささやきかける。
いつでも意識できる重さが
浅井に安心を与えていた。
走り出した車に
みのりのドキドキもスピードを増していく。
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