ずっと大好き…この恋は秘密 …
なんて…
あたしはずるい。
多分…
きっと沙紀さんは浅井さんが好きなのに…
気づかないふりしてる。
『沙紀さんは浅井さんが好きなんじゃないですか?』
そう言ったら…
浅井さんは何て答える?
『え…?』
そう言って真面目な顔になるの?
『んなわけねぇだろ(笑)』
そう言って笑う?
あたしと沙紀さん…
どっちをとる?
ばかな事を浮かべてしまった頭を横に振った。
…答えを聞くのが恐いから…
だから聞けない。
…聞かない。
「結構強いな、これ」
浅井の声にはっとしてみのりも日本酒に口をつけた。
「…うぇ〜、辛い…」
舌を出したみのりを見て浅井が笑った。
その笑顔に胸が苦しくなる。
浅井さんを…
信じてないわけじゃないの。
…信じてる。
でも…
理屈じゃないんだ…
ただ
浅井さんと離れることが怖いだけ。
少しでもその原因になるものが…
気になって仕方ない。
…壊したくない。
今の関係を壊したくない。
だから…
余計な事は言わない。
…聞かない。
別にいい子じゃなくていいもん…
悪い子でいい…
何も考えたくなくて
考えれば考えるほど
自分が嫌いになってくのが嫌で…
おいしくないグラスの日本酒を口に運ぶ。
体の中から一気に熱くなる。
気がつけば外を舞ってた雪がうっすらと地面に積もっていた。
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