ずっと大好き…この恋は秘密 …
「や…あっ…」
浅井の手の動きに
みのりの声が漏れる。
浅井の髪からたまに落ちてくる水滴にすら過剰に反応してしまう。
「…もうオレ以外と酒飲むなよ。
オレ以外にそんな顔見せたら
許さねぇからな…」
浅井の手に意識が集中していて
返事もできないみのりに浅井が言う。
体に落とされたいくつものキスマークの痛みに
意識がつなぎ止められながらも
頭も体もふわふわしていた。
浅井の指も
髪から落ちる冷たい水滴も
キスも
浅井の熱い体温も…
すべてがみのりを反応させる。
何度もキスされて
何度も名前をささやかれて…
すごくすごくうれしかったのに
なんだか全部夢みたいな感覚に
少し不安になった。
『幸せすぎて怖い』なんていうのは大げさなのかもしれないけど…
ただ怖くて
この時間が続く事を願った。
『夢でもいい』
そう思った事もあった。
でも…
やっぱりそんなのいや。
もう夢なんかじゃいや。
浅井さんの腕も胸も手も
笑顔も
あたしを呼ぶ声も…
全部全部…
夢じゃやだよ…
みのりの頬を撫でる浅井の腕を
みのりがギュッと握った。
「どうした…?」
優しく笑いかける浅井をみのりが見つめる。
「浅井さん大好き…」
「…またかよ(笑)」
浅井が笑いながらみのりの頭を撫でて…
「…オレのほうが好き」
耳元で言った。
遠くの電車の音が
2人の熱い吐息でかき消された。
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