ずっと大好き…この恋は秘密 …
昼過ぎ、バイトを終えてお店から出ると
駐車場に浅井の車が止まっていた。
…何か
話があるの…?
みのりの心に
いつかの『サヨナラ』が蘇る。
みのりの足が…
動揺と恐怖で立ち止まったまま動かなかった。
そんなみのりに
浅井が車から降りて駆け寄る。
「みのり?
どうした?」
覗き込む浅井の顔を見ないまま
みのりがゆっくりと口を開く。
「なん…で…?」
みのりの言葉に
浅井が意味深な笑顔を返した。
「…とりあえず乗れよ」
浅井に促され
みのりが俯いたまま助手席に座った。
「…なんか機嫌悪い?
嫌な客でもいた?」
みのりの機嫌を伺うように浅井が聞く。
『嫌な客』
その言葉に少しだけ反応して…
首を振った。
「まぁ、これやるから機嫌直せ」
浅井がみのりの目の前にお守りを差し出した。
みのりが目の前で揺れるお守りを受け取る。
「…縁結び?」
お守りは淡いピンク色で
『縁結び』と立派な刺繍がしてあった。
「そ。
隣の県に縁結びで有名な神社があるって昨日の夜ニュースでやっててさ…
おまえそうゆうの好きそうだし
今日ひとっ走り行って来たんだ。
片道3時間もかかってさ…
今朝5時起き(笑)」
そう言って苦笑する浅井をみのりが驚いた表情で見つめた。
「…朝早くから行ってたの?」
「あぁ。
今帰ってきたとこ」
「じゃあ…」
沙紀さんの話は…
『嘘』…?
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