ずっと大好き…この恋は秘密 …
「寒…」
それなりに着込んだつもりのみのりの体を冬の寒さが刺してくる。
それでも晴れている空を見上げると自然と笑みがこぼれた。
あたし晴れ女だし…
浅井さんも晴れ男だしね。
重たい心も
冬の空気で澄み渡った青空を見上げると少し軽くなる。
小さくクラクションが聞こえてみのりが視線を移す。
運転席で片手をあげる浅井にみのりが笑顔を浮かべて走り寄った。
「寒い〜」
「こんな日に海行くのなんかオレ達くらいだろうな(笑)」
浅井の言葉にみのりが苦笑いした。
「でも…
浅井さんなんで海行く気になったの?
寒いし遠いのに…」
最初はそんな乗り気じゃなかった浅井が
なんでその気になったのか
みのりは昨日から不思議に感じていた。
みのりの言葉に浅井が前を向いたまま話す。
「あぁ…
だってみのりが初めて言ったわがままだし。
オレにできることならしてやりたいって思うだろ」
そんなうれしい事をさらっと言う浅井の横顔に
胸が苦しくなる。
…好き
大好き
やっぱり沙紀さんの事…
言った方がいいのかな…
でも
言ったって…
あたしの気持ちはきっと晴れない…
好きなのに…
自分の気持ちがわからない。
あたしは一体どうしたいんだろう…
でも
沙紀さんの気持ちならわかる。
あたしに浅井さんの前からいなくなって欲しいんだよね。
あたしは…
あたしは―――…
みのりが運転する浅井の肩に頭を乗せた。
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