ずっと大好き…この恋は秘密 …
南校舎の3階にあるトイレは
とても明るかった。
開けた窓からは
南風が入ってくる。
「…別に今日じゃなくてもいいんじゃない?」
なかなか電話できないみのりを見かねて祐が言った。
「…だけど
夏休み終わったら…
多分もう出来ない。
浅井さんの休み時間とうまく重ならないし…
今しか…」
みのりが思い詰めた表情でディスプレイの電話番号を見つめた。
時計が36分から37分に変わる。
…早くかけないと
昼休みが終わっちゃう…
…早く
早く…!
信じられないくらいの速さで心臓が動いていた。
「祐ちゃんっ!
あたしっ
電話かけるっ!」
祐に言ってすぐに
発信ボタンを押した―――…
…PULL…PULL
呼び出し音が鳴るだけで
なんでか涙がでそうだった。
経験したことのないほどの緊張が
みのりを襲っていた―――…
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