ずっと大好き…この恋は秘密 …




「嫌です」








沈黙を破ったのはみのりだった。


目を逸らさずに
真っ直ぐに見つめるみのりに

沙紀が呆れたように笑う。


「嫌って…

自分のしてること…わかってる?」


少し焦っているようにも見える沙紀に

みのりが答える。


「はい。

でも…

浅井さんが『待ってて』って言ってくれたから…

あたしは…

待ちます。



だから別れません」






ずっと…

いつまででも待つ。


クリスマスの夜に初めて浅井さんと交わした約束だから…


浅井さんが…

『好き』と一緒にくれた言葉だから…


浅井さんが

好きだから。



諦められない。



例え…

間違ってるのがあたしでも




誰に責められても


浅井さんだけは…




諦められない…



「ごめんなさい。

本当に…ごめんなさい…」


みのりが深々と先に頭を下げる。





あたしがしている恋は…

許される事じゃない…



本当は罪悪感でいっぱいで…

今だって逃げ出したい。




申し訳なくて…

沙紀さんに向ける顔なんかない。




だけど…


あたしがしてる恋はそうゆう事。


責められるべき恋…



世間に認められない恋…



『不倫』なんかを望んでたわけじゃない…




だけど


もう引き返せない…





もう無理…



この気持ちも

浅井さんのぬくもりも…





なかったことになんかできない。






忘れることなんかできない。






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