ずっと大好き…この恋は秘密 …




自分が悪いのにそれを止めない。



謝ってすむ事でもない。




矛盾してるのはわかってる。


だけどこれがあたしの気持ちなの…






浅井さんと一緒にいたいけど


沙紀さんへの罪悪感も消せない。




これが…

わがままなあたしの正直な気持ち。





「沙紀さん…ごめんなさいっ」


何度も頭を下げたまま謝るみのりを沙紀が止める。


「やめてよ…

ってゆうか…何?
開き直り?



…あんたみたいな女…

大っ嫌い」


沙紀の声が車道の雑音で消えていく。


「…遼太と別れない限りまた来るから…


崇、行こ…」


沙紀がうつろな瞳を節目がちにしてみのりと目を合わせずに言った。



背中を向けて歩き出した沙紀の後ろを

隣にいた男が追う。



一瞬みのりと目が合って…

悲しそうに微笑んで沙紀の背中を追いかけた。







…もっと

いっぱい言われるかと思った。




想像していたような罵詈雑言は浴びせずに背中を向けた沙紀の後ろ姿をみのりが目で追う。


安心感と…

その倍以上の罪悪感がみのりをじわじわと包み込む。






神様にも…

きっと見放されちゃうね…



こんなわがままで自分勝手なあたし…


譲れないくせに同情ばかり…



今までいい子してきた貯金も…

もうきっとなくなった…


これから先…

罰ばかりだったらどうしようかな…



でも…

それでもいっか。



ずっと考えてきた

『自分の幸せ』


わかったから…





浅井さんと一緒にいること。




それ以上の幸せは…


あたしには存在しない。





何回転んでも…




『バカだな(笑)』って

浅井さんが隣で笑ってくれれば…


『幸せ』だから…





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